本書は、アメリカの著名な古生物学者であり、古生物イラストレーターでもあるグレゴリー・ポールによる恐竜事典である。グレゴリー・ポールの描く骨格図は、恐竜学における一つの科学的な基準として位置づけられており、恐竜の全身像の推定に大きな影響を与えている。
本書は「恐竜事典」と「恐竜概説」で構成されている。「恐竜事典」では、750種近くの主要な恐竜について学名、全長、化石として見つかっている部位、分布と地層、生態などを詳細に解説している。さらに、恐竜のカラー復元図と骨格図を700点近く掲載している。 2010年の初版から2016年の第2版で改訂増補された「恐竜概説」では、恐竜、鳥類の起源、非鳥型恐竜の絶滅、恐竜の古生物学研究史などの最新の事例まで詳しく述べられており、恐竜が徘徊した時代へと私たちを誘うものである。
本訳書では索引語句を追加し、30ページ以上の恐竜名・分類群の和名・英名索引を収載している。福井県立大学恐竜学研究所・福井県立恐竜博物館の翻訳協力で実現した恐竜ファンに贈る一冊。
【本書の対象】
古生物学関連の大学生、研究者、古生物学に関心のある地学愛好家
[原著]The Princeton Field Guide to Dinosaurs 2nd Edition
本書は、2020年刊行『グレゴリー・ポール恐竜事典』の姉妹事典となる翼竜に特化した『グレゴリー・ポール翼竜事典』である。古生物骨格図や復元図を専門とする画家であり、古生物研究者でもあるグレゴリー・ポール氏による
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種の翼竜の精密な骨格図と復元図が掲載されている。恐竜関連の学術書は数多くあるが、本書のように骨格図や復元図を伴う網羅的な翼竜事典は世界的に見ても例がなく、古生物学を志す学生や若手研究者、博物館関係者、古生物愛好家にとってのリファレンスになる稀少価値が極めて高い翼竜学術書である。
翼竜は、コウモリ程度の軽量のものから翼開長 10
m以上という空を飛ぶ動物としては史上最大の大きさまで巨大化したものまで現れている。滑空やたどたどしい飛翔しかできなかった古典的で低代謝の空飛ぶ爬虫類とされているが、一般に現代の爬虫類と考えられているものと近縁でなく解剖学的にも似ていない。研究者の大多数見解は、主竜類の恐竜や鳥類とは一線を画す高代謝でエネルギッシュな主竜類の1種であり、おそらく中生代の初めに近い初期から中期三畳紀に何らかの原始的な形態をもつ種から進化したというものに一致している。
本書の構成は『グレゴリー・ポール恐竜事典』と同様、「翼竜概説」と「翼竜事典」の2部構成となっている。「翼竜概説」では、翼竜と恐竜・鳥類・コウモリの3つのグループを類似点や相違点を取り上げながら機能解剖学的に比較し、翼竜の特性を理解しやすくしている。とりわけ、翼竜の特性の中でも複雑で難解な内容を含む飛翔に関する解説は圧巻である。頭頂部のトサカ・翼膜・尾・爪などの生物学的特徴の観点から飛行制御・離着陸などのメカニズムを論理的に解き明かしている。「翼竜事典」では、これまで発見され学名が与えられた115種の翼竜の骨格図と復元図が精密に描かれている。大きな一まとまりの精密な骨格事典を作ることの1
つの利点は、そういった復元でなければ得られない情報を明らかにすることにある。
恐竜の時代にロマンを感じ、古生物に興味をもつマニアックな読者へ贈る唯一の翼竜学術書。
【本書の対象】
古生物学を志す学生、若手研究者、博物館関係者、古生物愛好家
[原著]The Princeton Field Guide to Pterosaurs
本書は、2020 年刊行『グレゴリー・ポール恐竜事典』、2024
年刊行『グレゴリー・ポール翼竜事典』の姉妹事典となる海竜に特化した『グレゴリー・ポール海竜事典』である。古生物骨格図や復元図を専門とする画家であり、古生物研究者でもあるグレゴリー・ポール氏による
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種の海竜の精密な骨格図と復元図が掲載されている。恐竜関連の学術書は数多くあるが、本書のように骨格図や復元図を伴う網羅的な海竜事典は世界的に見ても例がなく、古生物学を志す学生や若手研究者、博物館関係者、古生物愛好家にとってのリファレンスになる稀少価値が極めて高い海竜学術書である。
構成は「海竜概説」と「海竜事典」の 2 部構成となっている。「海竜概説」では、発見と研究史、進化、行動、成長、巨大化などが解説文と図と共に約 60
頁以上記述されている。
中生代の海には首長竜、モササウルス、魚竜など実に多種多様の海生爬虫類が生息していたことがわかっている。この海生爬虫類こそが、まさに海竜である。分類群としては、殻付きの卵を産む卵生の有羊膜類だが、一部は胎生へと進化した。有羊膜類は、無弓類、単弓類、双弓類の
3 つの大きなグループに分かれるが、海竜については、おそらくすべて双弓類に含まれる。体の大きさは、全長 0.3 m・体重 0.025kgの小型種~ 全長 17 m・体重 20
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に迫る大型種まで知られている。海竜の中でも、トカゲ類、ヘビ類、カメ類、ワニ類の一部は、中生代末期に多くの生物が絶滅に瀕した壊滅的な危機を乗り越え、現在も汎世界的に分布している。
海竜の遊泳には鰭が大きな役割を果たしている。本書では、海生哺乳類をはじめとする脊椎動物との類似点や相違点を解説している。
中生代の海を支配し現在もなお生息する海竜にロマンを感じ、古生物に興味をもつマニアックな読者へ贈る唯一の海竜学術書。
【本書の対象】
古生物学を志す学生、若手研究者、博物館関係者、古生物愛好家
[原著]The Princeton Field Guide to Mesozoic Sea Reptiles